8月 ブルーベリー前線

フィンランドのその年の気候を、これほど繊細に反映してしまうのはブルーベリーの他にないのではないかと思う。初夏の花を咲かせる時期の気温、花が咲いたあとにどれだけ暖かい日が続くか、急に霜が降りたりしないか、降水量はどうか。雨や太陽は、一日で味を変えるくらいに影響する。たとえば私はブルーベリーを摘むときに、雨が降って晴れた日が2日は続いた頃のブルーベリーが大好き。水分をたっぷり含んでいながら甘くて味がしっかりしているのだ。

 

 

7月以降、南部では暑い日が続き、一気に大粒のブルーベリーが熟しはじめた。ところが今年はどことなく森がせっかちで、あっという間にリンゴンベリーの季節へと移った気がする。8月も後半になり、やっと少し森歩きの時間を増やせる!とバケツを持って入ってみたら、森はリンゴンベリーの赤が目立つようになってしまっていた。ところが北部に目をむけると、なんとまだまだこれからのところがあるというではないか。

 

 

気候にあわせてじりじりとブルーベリーの旬は北上していく。まるで桜のようだ。桜の開花状況を語り合うように、実はベリー摘みやきのこ狩りの大好きな人たちの間では、次々と「ここは今が旬」情報が行き来する。仕事とはいえ、実はいま北の町にいる。ブルーベリー前線にのって旅をしているだなんて、なんて幸せだろう。ダウンコートを着てもいいと思うくらい朝晩冷える町だけれど、ブルーベリーがそこにあるだけで、なんだか私はまだ夏を満喫しながら生活しているような気持ちになる。ありがとうブルーベリー。空には星が見えるようになってきた。白夜が終わり夜空に闇が戻った頃、こうやってもうしばらく夏気分を楽しめるなんて本当に嬉しい。しばらくは秋の名物きのこ狩りをおあずけにしようと思う。秋が深まってから考えればいいかな。

 

(文章・写真 森下圭子)

夏休みを終え、友人知人たちとの久しぶりの再会。ブルーベリーパイはじめ、夏の恵みたっぷりの食卓を囲んで。

8月になり北の地域で旬を迎えたブルーベリー。

日暮れ時がなんとなく寂しくなる8月の終わり。夜空に闇が戻る頃だけれど、夕暮れの時間は、静かにゆっくりと流れていく。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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