5月 ミスミソウ、桜、ビルベリー

フィンランドではミスミソウが春を告げる。群れるようにして咲く姿に、嬉しそうにカメラを向けるフィンランド人をあちこちに見かける。こうして春が始まったら、人々は庭いじりに余念がない。あっという間に公園のあちこちに花が植えられるし、家でも種芋を植えたり、野菜の種をまいたり忙しい。夏のことを想像しながら土をいじる楽しさ。

 

 

今年は長らく雨のない春の日が続いたせいで、春に採れるきのこ、ジャグマアミガサダケが見当たらないという。実はこのきのこ、猛毒きのこなのだけれど、しっかり毒を抜くととてもおいしくなる。フィンランドでは人気で高級なきのこだ。5月も下旬になって、ようやく雨も降り、少しばかりきのこも出てきた。南欧より温かい気温が続いたこともあり、木々の葉が勢いよく広がりだした。

 

 

草花が勢いよく育つ5月。フィンランドの人たちが日本人をみると、すぐに教えてくれるのは、桜の開花情報だ。日本の人にとって桜は格別だと知るフィンランド人は多い。だから桜が花を開かせると、わざわざ私に教えてくれるのだ。この時期には鉄分豊富ないらくさ(ネトル)が生えだす。きのこ狩りは諦めたけれど、いらくさはたくさん摘んでおこう。乾燥させる前に、まずは摘みたてでスープを作ろうと思う。

 

 

今年は白樺花粉がひどく、1ヶ月ほど長時間の散歩や森散策は我慢していたけれど、新緑の魅力には抗えない。葉が茂る夏に比べて、木漏れ日がたくさん入るこの時期の森。地面の苔や草はいつも以上に輝く。とくに目をひいたのがビルベリー(ブルーベリー)の赤い花。まるで宝石のようにキラキラとしているのだ。ビルベリーは数あるベリー類の中でも、とくに気温天候に敏感。このまま、すくすく育ってくれますように、夏にたくさんの実をつけてくれますように、そう心の中でビルベリーに話しかけたりしながら、久しぶりの森歩きを楽しんだ。夜中の鳥のさえずり、寒さを感じない海の風、夏はもうすぐそこまできているようだ。

 

(文章・写真 森下圭子)

フィンランドの桜。ヘルシンキの街にもぽつりぽつり立っている。

ビルベリー(ブルーベリー)の花。木漏れ日の中で輝くといっそう輝きを増す。

ゆっくりと沈んでいく太陽。ヘルシンキの日没は22時頃、少しずつ白夜の季節が近づいてくる。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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