3月 花粉とマスク

暖冬といわれているうち、気がつけば海の氷もとけていて、あちこちで鼻をかんでいる人を見かけるようになった…花粉症だ。例年より1ヶ月以上早い。実は私も花粉症に悩まされているひとり。横断歩道の向こうで信号待ちしている人がくしゃみをすると、私までつられてくしゃみがとまらなくなったりする。ティッシュが手放せない人、目をこすり続ける人、街のあちこちで辛そうにしている人がいる。

 

 

日本で花粉症の季節といえばマスクや花粉症対策用めがねなど色々あるけれど、フィンランドでそんな姿を見ることはない。今年は医師が「花粉がひどい日にはぜひマスクをしてください」とラジオやテレビで推奨しているけれども、相変わらず、その習慣のないフィンランドでマスクをするのは勇気がいる。フィンランドでマスクをしていると、他の人への感染を防ぐためと思われがち。何も知らずにマスクをして街にでたときの周囲の様子は、今でもよく覚えている。よそよそしいのだ。あれ以降マスクは使わないできている。ただ、せっかくの春に室内ばかりなのは悲しい。そうだ、ひとけのない夜にマスクをして散歩しよう。

 

 

今年は風のぬくもり、鼻をくすぐっていく春の匂いを感じる前に、花粉症とともにやってきてしまった感のある春。人のいない夕暮れどきの海辺でマスクをしてゆっくり歩く。氷のとけた海は、嬉しそうに強い風に身を任せている。ちゃぷんちゃぷん、ざぶん、あちこちの波打ち際の音が聞こえてくる。月の光を浴びたそうな海の水。私も散歩の足をとめ、闇が深まり月明かりが輝く時間を待つことにした。

 

 

月明かりの中の春の散歩。夜の春風もなかなかいい。この先どうしようかと花粉に怯えつつも、季節の移り変わりや自然の息吹を存分に楽しむ方法をあれこれ考える毎日だ。

 

(文章・写真 森下圭子)

久しぶりにみる海の水。去年のこの時期は、まだまだ凍った海の上を散歩できたのに。

こんなところにベンチがあると、浜に寄せる波を眺めたり、海の上にあがってくる月を待つのも楽しい。

海の水面にできた月の道。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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