10月 雨つづき、気づけば冬が

雨の日が続く。カフェや人の集まるところでの世間話といえば雨のこと。お互い外の雨に目をやり、ため息をつく。いったい私たちはいつからこんな毎日を眺めているんだろう。雨が降るたびに、この夏がずっと雨続きだったことを思い出して、そしてまたため息をつく。力なく笑顔を向け合う自分たちに、つい笑ってしまったりして。

 

 

日照時間の短かさが急激に早まったように感じられる頃。空が厚い雲に覆われ、そもそも日がでている時間でも太陽を見ることがほとんどなく、外に出るのが億劫になる人も少なくない。小さな店を営む人たちの話だと、この10月は本当にお客さんが少なかったという。確かに小さな通りを歩いていても、人通りが少ない。

 

 

雨続き、どんよりした外の景色に、つい家に篭りがちなこの時期。太陽が出てくれたら外に飛び出したくなるくらいの今年の10月。紅葉した葉もすっかり落ちていく中で、今の楽しみといえば初雪。これはいくつになってもワクワクするものだ。初雪が観測された場所が次々にニュースになり、さあ自分のところは明日か明日かと凍える夜に少し心を躍らせる。そう、寒いことはそんなに嫌なことじゃない。逆に寒い日は晴れることが多いので、ぐんと寒くなってくれるっていうのもいい。

 

 

今年は茸狩りの話をそれほど聞かない。実は私もほとんど行けず、気づいたらこんな時期になってしまった。霜がおりても大丈夫なきのこもあるので、今が最後のチャンスか。リンゴンベリーは今が旬、初雪が降ったあとにぐんと味が深まり、この時期が一番おいしい摘み時という。ダウンコートに手袋マフラーで外にでるような時期に、素手でベリーやきのこを摘むのはなかなか大変なこともあるけれど、こうして森の中でこの時期独特の空気を吸ったり静寂の音を聞く時間もいい。雪が積ってしまう前にあと少し、きのこやベリーで森を楽しもうと思う。

 

(文章・写真 森下圭子)

バルト海の真珠とも呼ばれるヘルシンキ。見晴らしのいいところから街を眺めると、必ずこのように海が見える。

嵐の後の夕暮れ時。秋になると太陽の赤さがより一層濃くなって見える。

小さな島々の間をぬって海をボートで進みながら眺めた夕陽。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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