6月 長い夏休のはじまる

夏至祭を境にヘルシンキはがらんとする。会社勤めの人たちも、ここから長い夏休み。ヘルシンキに暮らす多くの人が森の中にひっそりと建つサマーハウスに行き、いつまでも暗くならない白夜の夏を楽しむのだ。最近は電気をひいたお宅も増えてきているけれど、「電気も水道もない暮らしだからいいの!」と依然こだわりを見せる人たちもたくさんいる。電気をひいてテレビがあっても、ニュースを見るくらいか。夏にだらだらとテレビを見る人はとても少ないのだ。だから夏のテレビは昔の再放送が目立つ。

 

 

電気のおかげで長く森暮ができると喜んでいる人たちがいる。通信環境が整えば仕事ができてしまったりするからだ。私などは仕事で森に行くことも増えている今日この頃、フィンランドでは森の中でも携帯電話が通じるし、ネット環境も比較的どこででも整えられる。森の中で日本に連絡したり、メールのやりとりをすることなど、日常化しつつある。仕事から完全に離れて楽しむ森での夏の生活があり、仕事をしながらもしっかり森を楽しむ時間を確保して日々バランスをとりリフレッシュする暮らしがあり……この時期はまだベリー摘みには早いけれど、ただ歩くだけの森の存在というのもたまらなくいい。森の中の木々や草花はどんどん色を濃くし、刻々と風景が変わる毎日。森に充満している草花の香りも生命力に満ちていて、呼吸するだけで森のパワーが体にじんわり入ってきてくれるような気がする。

 

 

フィンランドでは「カッコウの鳴き声が寿命を教えてくれる」という。森の中で焚き火をしながら休憩していると、森に響きわたるカッコウの声…「ひとつ、ふたつ、みっつ…え!あと3年だけ?…あ、よっつ、いつつ…ん?続くの?」…とにかく気まぐれで、ちょっと鳴いては、少し不思議な間をとり、また勢いよく続けてみたり。結局どう数えていいかわからなくなってしまう。そもそもまじめにカッコウの鳴き声を数えているフィンランド人に会ったこともない(寿命なのよ、と人に教えておいて)。でもこんな風に笑いながら数を数える緩い感じがまた、夏の大らかさを演出してくれているように思える。

 

(文章・写真 森下圭子)

アイスまで狙ってくるかもめだけど、青い空に気持ちよさそうに飛んでいるかもめは夏の美しい風景のひとつだと思う。

夏至祭ごろの白樺で作る枝の束がサウナで体を叩くのに一番適した時期の白樺だとか。

この夏は気温の変動が激しく、こうして夜中近くや明け方になると、湖から靄がたつ。これは23時ごろの風景。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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