8月 ラップランドのベリーたち

7月から8月にかけて3週間ほどラップランドにいた。北極圏をふくむフィンランド北部のこの地でも夏はときに暑く、気温も30℃近くにまで上がることだってある。そうなると庭の苺やカシスなんかもぐんと熟す速度をあげる。苺の赤はどんどん深みを増し、黄緑色だったカシスは黒く赤くそれぞれの色に染まりながら、太陽の陽の下でどんどん艶やかになっていく。公園の砂場ほどの小さな苺畑というのに毎日バケツ半分、5リットルほどの苺がとれた。どれも小粒で 切ると中までまっ赤。甘くて、口いっぱいに香りが広がる。そのまま食べるもよし、雑草のようにたくましく生えるルバーブと一緒にスープやジュースにしてみ たり、ジャム作りも楽しい。

夏らしくなったとたんに、激しくなる自然の息吹といったら。ラップランドの自然は生き急いでるようにも映る。日本でなら春から 秋にかけて順々に蕾を開いていきそうな花たちが一斉に咲きほころぶ。草むしりしたはずのところが、3日で「草むしりは幻だったの?」と首をかしげるくらいに草だらけになっていたり。そんななか近所の男の子が「森のブルーベリー食べごろになったよ!」と教えにきてくれた。さて、今年はびっくりするくらいの大粒で、酸っぱさより甘さが際立つ見事なブルーベリーがたっくさん沢山、森のそこかしこで実をつけている。森ではラズベリーもガンコウランも摘み頃だ。リン ゴンベリーもぽっと頬を染めたような感じで、うっすらと染まっている。

自然の息吹……虫まで生き急ぐように激しく元気だ。ホクホクのベリー事情ではあるのだけれど、蚊や蜂やらいろんな虫に悩まされっぱなし。苺に手をのばしたら苺の中に入り込んでた蜂がチクリ。ブルーベリーに集中できないほどの蚊は、森をでてからも頭のまわりをぐるぐる取り囲みな がらくっついてくる。

ラップランドを離れる頃にはカシスも摘み時で、さあジュース作りを開始しようかという頃だった。ベリーのある毎日、一日の大半をベリーと一緒に過ごす時間に夢中になっていた毎日。夜の空は青から一気に紺色に変わりつつあった。夜空が闇に包まれるのももうすぐ、いよいよ夏も終わろ うとしている。

夏の夜にときおり見られる風景。白夜の夜の靄。海や湖の風景をさらに幻想的にしてくれる。8月はじめの真夜中。

苺をみると夏の到来と思っていたけれど、ラップランドでは夏が深まった頃が食べごろ。ルバーブとの相性もいい。奥のジュースはルバーブのジュース。

ブルーベリーの葉が茂っているところに目をやるとこれ。いつもは葉に隠れがちなのが、今年は自己主張しているみたいに一目でわかる実のつけぐあいだ。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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