4月 いまだから、いまのうち

散歩していたら、歩道の片隅に集められた雪の山がまだ残っていた。カチカチになってしまっているその山を必死でつつき、杖で雪山を崩そうとしているおじいちゃん見っけ。春を満喫したい気分に、目の前の雪山を何としても消してしまいたかったのだろうか。

とはいえ、イースター休暇の行き先で人気なのはラップランド。日照時間が一気に長くなったことだし、そんな中で雪景色に囲まれたつかのまの休暇。雪特有の静寂と時間の流れ…最後に楽しんでおきたいのかな。とくにヘルシンキは雪がとけてからというもの、砂埃や粉塵が大変で、車の往来のある傍をあまり歩きたくない時期でもある。その一方で、街を歩きながら感じられる春の気配を、毎日一つ、またひとつ余計にと見つけていくのも楽しい。

4月に入ってからというもの、ご無沙汰していた友人知人に会うことが増えた。おしゃべりしたり、どんどんよくなる季節を一緒に楽しみたくてたまらない。もちろんまだのんびりと外で日光浴できる気温ではないのだけれど、夜の9時になっても空がほの明るい、そんな中で、行動力やニコニコした気分が急上昇なのだ。

冬の間は濃い緑の観葉植物ばかりだった我が家でも、色とりどりの花が恋しくなって、ついついチューリップを買ったり、鉢植えも水仙やら花開くものを窓辺に並べるようになってきた。そんな目にも麗らかな春の感じ、この前ふとフィンランド人の友人たちとお寿司を作りながら「うわ、お寿司や日本の料理は春が似合うかも」だった。卵焼きの黄、でんぶのピンク、白和えで色鮮やかな野菜がほんのり豆腐の白によって淡くなる感じ、きゅうりの緑、そしてフィンランドのお寿司に欠かせない鮭。フィンランドらしいシンプルな白いお皿、銀のお盆に並んだ寿司は、初めて作る人たちの手でちょっといびつ なところもあったけれど、並んだその光景は、新緑までにはまだ時間のかかりそうなヘルシンキの中で一足早く満開の春を迎えているようだった。

雪どけは突然やってきます。空の青さにぬくもりを感じるような日は土も暖かいのでしょうか。この景色を見納めに、急激に雪が周囲から消えていきました。

かわいく並ぶお人形はスパイス容れ。これ、メイド・イン・ジャパンと書いてありました。フィンランドでは何十年も前に、こんな日本のものがたくさん売っていたのだそうです。

外がぽかぽかしてくると、見事なタイミングで街角のあちこちにアイスクリームスタンドが設置されます。散歩のお供についつい。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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