3月 クマも海も、そして花粉も

3月のヘルシンキはどんな気候か。この時期に日本から旅行される方も多いので、こんな質問をよく受ける。ところが、直前にならないと検討がつかないのだ。今年など、もう公園のベンチでひなたぼっこをしている人すらいる。ヘルシンキの動物園にいるクマは、例年よりも1ヶ月も早く冬眠から目をさまし、南の海は氷が残っていないほど。さらに、ハンノキの花粉が飛び始めたという。

 

気になって、ここ10年ほどのヘルシンキの3月を写真でチェックしてみたら、想像以上に風景が異なっていた。3月といって、まず最初に私の頭に浮かんだのは、1枚目の写真のような風景。人々が春と言い出す頃の理想的な風景かと思う。日照時間が長くなり、晴れの日が続く。雪が日光を反射させて、外はどこもかしこも眩しいのだ。

 

ところが3月にこんな風景になることはそれほどない。海が歩けるほどの氷で覆われていることもあれば、もう海にボートを出せたり、実際はけっこう極端なのだ。

 

せっかく晴れの日が続き、日照時間も長くなっているというのに、あまりに早い雪解け(車の多いヘルシンキでは粉塵が大変)と花粉の到来で、外で思い切り遊ぶことができずにいる。粉塵と花粉で声がでなくなることもある私としては、ここは我慢して室内でおとなしくするしかない。観劇や美術館めぐりなど人の集まるところに行けば、そこには春を喜ぶ浮かれた空気が漂っている。友達と一緒に料理をするなどして、春を語り合う時間もいい。

 

あまりに急激な春の深まりに、焦ることもあったけれど、いまはこの3月を、今年ならではのやり方を見つけては楽しんでいる。寒くても暖かくても、3月というのは、人々と春の訪れを喜び合い、喜びを分かち合う季節なんだなあと改めて思う。

 

 

(文章・写真 森下圭子)

春の強い日差しを浴びながら雪の残る海辺を歩く。これが最初に浮かぶ3月のイメージ。

寒さの厳しい冬が長いと、春の日差しを浴びながらも、まだまだ凍った海の上を散歩できる。

今年の3月。ボートを海に出す人も。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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