4月 福祉の国であるために

フィンランドは福祉大国として知られるけれど、経済不況が長引けば、予算をいかに節約するかを考えなくてはならない。私がフィンランドに来た90年代中頃は、空前の経済不況と言われた時代だった。確かに当時のフリマを思い出しても、ビンの蓋一つまで売ろうとするありさまだった。当時、大胆に予算を削減した児童福祉。20年たって福祉の国が直面したのは、児童福祉で削減した額を上回るコストが必要になってしまったことだ。当時の子供たちが大人になり、社会からドロップアウトしてしまった、働く気のない、精神疾患に苦しむ若者などが増えた。かつてのツケが回ってきたと言われ、彼らのケアに費やされるコストは、深刻な問題でもある。

 

福祉の国が医療などの福祉コストを節約するにはどうすればいいのか。それは予防すること、または問題が起きても早期発見早期介入できるようにすることだ。

 

少し前のこと。私はリハビリセンターというところにいた。そこでは運動リハビリとは別に、働きすぎの人たちがいた。働きすぎでダウンする前に、ゆっくり休む時間をもらうリハビリなのだそうだ。少し口が悪いけれど、言い換えれば休暇に他ならない。しかも自分の負担額がゼロの人もいるという。ちょっとびっくりするけれど、こうすることで、症状が悪化することを防ぎ、発病を防ぐ。結果的には大きな節約というわけだ。

 

そういえばポラルやスントなど、活動量計を作っているブランドが、フィンランドには二つもある。人口わずか540万ほどの小国でだ。運動量や睡眠量を自己管理できる、まさに予防のための便利ツール。私も愛用者のひとり。高福祉の国で生活していると、自分で「まず健康でなければ」と、逆にそんな意識が高まる気がする。予防予防と言われているうちに、自分でも自然に予防の姿勢が身についているのだろうか。スニーカーで歩ける季節になり、街は散歩やジョギングの人たち、サイクリングを楽しむ人たちで賑やかになってきた。

高層建築が少ないヘルシンキの街は、比較的どこにいても空と街並が見渡せる。

鳥たちの賑やかな歌声で、春が深まったことを感じる。どこを歩いていても聞こえてくるかもめの声。

春がきて、これまでとは違うお気に入りの場所で寛ぎはじめる猫たち。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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