10月 冬の前のひと仕事

この秋は穏やかな気温が続いたせいか、ブルーベリーの摘み頃が長かった。森のブルーベリーは気温や天気に敏感で、あっという間に摘み頃が終わってしまう。ところが今年は10月の頭でも森のブルーベリーがおいしくて、寝起きに近くの森でブルーベリーを摘んで、朝食にいただくなんてこともできた。なんて贅沢なんだ。

 

とはいえブルーベリーのシーズン終了は突然やってきた。森にはまだ多くのブルーベリーが残っているけれども、でも摘もうとすると実はつぶれ、さらに水っぽくてほとんど味のないものになってしまっていた。すると、「うっかりしてました」といった風情で、急に木々が色をつけ始めた。北極圏は美しい紅葉だったというけれど、フィンランドの南部は穏やかな秋の日々だったためか、あまり鮮やかな紅葉は見られなかった。それでもアパートの壁を覆う蔦は真っ赤に染まり、公園や森の木々の葉はほんのり黄色く茶色く色を染め、気づけば地面を覆うように落ち葉が目立った。

 

そうだ、急がなくちゃ。涼しい夏との境目もあまりなく秋を迎えたせいか、なんとなくダラダラと秋の日々を過ごしていたけれど、雪が降る前にしなくちゃならないことはたくさんある。まず庭の落ち葉かき。公園もボランティアを募って落ち葉かきをする。雪が積もる前にきのこを摘んでおかなくちゃならないし、霜のおりる今こそリンゴンベリーが美味しいとき、摘み頃だ。

 

先日は夏のあいだ島にいた羊たちを牧場に帰すお手伝いをさせてもらった。フィンランドの群島地域では夏のあいだ、無人の島に羊を放牧することがしばしばある。こうすると島の雑草を刈らなくても済むし、羊はいつだって新鮮な草花を食べられる。そして草花が生えない季節になる前に、餌に困らない牧場に羊たちを戻すのだ。羊は暖房をあまり必要としないかもしれないけれど、牧場なら暖かい小屋でぬくぬくすることもできる。

 

牧場の朝は早い。そして餌をやるときに、水のみ桶の水の薄氷を割ってやるところから一日が始まる。今年は冬を迎える前に一足くらいは毛糸の靴下を編み終えられるかな。

 

 

(文章・写真 森下圭子)

紅葉の季節も終わり、いよいよ落ち葉が地面に積もる頃。そんな中でも一際目をひくのが真っ赤なリンゴンベリー。

霜がおりこうしてリンゴンベリーが凍るたびに赤い色が深まっていく。この頃のリンゴンベリーが一番おいしいという人も多い。

ひと夏を島で過ごした羊たちは、こうしてまたいつもの牧場に帰っていく。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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