8月 みんなのブルーベリー

フィンランドは不況になるときのこ人気があがるという。市場で売っている以外にも、森には美味しいきのこがたくさんある。それらを勉強したり教えあったりする機会もあちこちで見かけるようになった。

 

北欧には自然享受権といって誰の所有であっても自由に森を行き来できる。しかも、きのこやベリーのように、毎年実るものは好きに採っていい。もちろん民家の周辺は避ける、それはそこに暮らす人たちのために残しておこうという暗黙の了解事なのだ。

 

今年は雨が多かったために例年よりずっと早く杏子茸が生え出した。そして同じ時期に、冷夏で少し遅れがちだったブルーベリーが熟し始めた。きのこのカゴを持ち、ブルーベリー用のバケツを持って森の中を散策する。きのことブルーベリーは別の目で探さないといけないと言われるのだけれど、本当にそう。ブルーベリーに夢中になっていると、うっかりきのこを踏みつけていたりするのだ。

 

首都圏の森はベリー摘みときのこ狩りの人たちがあちこちに潜んでいる。みんななるべく人が入っていないところに行こうとするので出会うことは少ないけれど、わずか数日の差であっという間に森からブルーベリーが消えてしまう。きのこに比べて見分け方が簡単なブルーベリー摘みは、小さな子供のいる一家でも全員で楽しめる。犬の散歩もかねて森に入ると犬も楽しそうにブルーベリーを食べる。犬に全部食べられちゃうので、この時期は一緒に森には行けないという人すらいる。

 

森のあちこちにブルーベリーの色をした糞がある。形状はまちまち。鳥や森の動物たちもブルーベリーが大好なのだ。熊はブルーベリーを追って何百キロと移動することもあるのだとか。

 

摘んだブルーベリーはどう保存しようか。今年は冷凍のほかに、ジャムとシロップにして保存することにした。こうすればお土産としてプレゼントすることもできる。みんなで食べるブルーベリー。そう考えるだけで、ブルーベリーは一層おいしく感じられるのだった。

 

 

(文章・写真 森下圭子)

森一面にブルーベリーが。

犬もブルーベリーを食べるのに忙しい。

セモリナ粥に摘みたてブルーベリーと作りたてブルーベリージャムを添えて。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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