7月 夏休みと冬へのたくわえ

フィンランドの夏は充電の季節でもある。職場のコンピューターのパスワードを忘れるくらいにしっかり休んでこそ、また仕事に集中できるのだそうだ。太陽も今のうちにたっぷり浴びておこう。畑では白夜の長い日照時間で甘くなった野菜たちの収穫が続き、そして冬に向けての食糧の蓄えも始まる。

 

先月はヒツジにやるための白樺の束を乾燥させたけれど、今月は干草作り。例年ならば夏至祭の時期に乾燥させるのだけれど、今年は雨で寒い日が続いていたため遅くなってしまった。巷は夏休み。夏休みならではの時間も確保したいし、でも冬の食糧確保は欠かせない。1日が何時間あっても足りない、それがフィンランドの夏かもしれない。外は明るくても、気がつけばもう夜中近い、そんな毎日が続く。

 

SNSで日々の暮らしを手軽に投稿できるようになり、フィンランドには夏休みの定番写真があることに気づく。そのひとつがハンモックだ。ハンモックに寝そべり自分の足元を撮ったものが次々と投稿される。湖畔や海の眺めにいたってはお約束。水辺でたっぷり日光を浴び、日光を浴びすぎて少し疲れたら、木陰のハンモックで読書などでひと休み。こういうのが夏休みの幸せなひとときなのだ。

 

動物の食糧と自分の充電で冬に備えたら、こんどは森の恵みの蓄えだ。今年は雨が続いたせいか、すでに杏子茸が森のあちこちで生えている。さらに野いちごとブルーベリーがいよいよ旬に入りつつある。ベリーを探しながらきのこ探しまで。7月も下旬になり、一気に森が賑やかになってきた。大忙しだ。

 

少しずつ8月が近づいてくる。明るい夜空を眺めながら、やがてまたこの空に星が戻る闇夜がやってくるという思いが頭をよぎる。なかなか半袖で一日中いられるような暑い日は来ないものの、思う存分この夏を、7月らしい日々を満喫したいと思う。明日は朝食用のブルーベリーを摘むことから始めよう。

 

 

(文章・写真 森下圭子)

陽のあたるところ、湿ったところ、森のあちこちで、それぞれのペースでベリーやきのこが育つ。

ヒツジやヤギにやる冬のたくわえ、干草作り。

フィンランドの夏休みの光景といえばハンモック。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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