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12月 雪はまだかな

雪が降っても残らず、また雨が降り風が吹く12月。雪がないせいか、なかなかクリスマス気分にならない。スパイスたっぷりのクリスマスの飲み物グロッギとクリスマスタルトでお茶していても、「なんかクリスマスの実感がわかなくてね」なんて話になる。クリスマスを境に2週間ほどのクリスマス休暇をとる人が多いので「良いお年を!」などと言って今年最後の打ち合わせをすませたりするけれど、それでも年末という感じにならない。雪がないだけで、こうも気持ちが変わるのかと思う。そういえば、どうしても雪が見たくなって、雪のあるクリスマスが過ごしたくて、衝動的に電車にのってラップランドに行ってしまったこともあった。

 

 

雪に覆われた森の中を歩きながら、クリスマスツリーを探す。見つけたら伐採してそりに乗せ、来た道を戻る。雪をかいて雪の下の苔やリンゴンベリーの茎を少しずついただき、小さなかごにクリスマスの飾りを作る。クランベリーに粉砂糖をまぶしたおやつを持って、粉砂糖のように真っ白な森の中を歩く...そんな雪のあるクリスマスの準備がなんだかとても懐かしい。雪がないクリスマスの季節をどうやって楽しもうか......。

 

 

生まれてはじめてリース作りに挑戦した。毎年恒例のクリスマスタルトも、定番になってる風車とは違う伝統的な形で焼いてみよう。毎年うまく作れなかったジンジャークッキーの家も、ならば小さなサイズでくっつけやすくしてみたら...でやってみよう。小さな村のクリスマス市にいってみたり、雪がないながらもクリスマスを待つ楽しい気持ちがどんどん膨らんできた。スポーツジムに行くと、クリスマス前の最後のズンバクラスで、南米生まれのエクササイズというのにフィンランド語の「赤鼻のトナカイ」が流れた。雪もなくジムという空間で、ズンバという南米のものにまでクリスマスの曲。なんかここまでくるとクリスマス、何が何でも楽しまなくちゃと思う。

雪のない12月の森を歩いていたら、リンゴンベリーがあちこちに。

村のクリスマス市で。クリスマスに心躍る女の子たちと、家から一緒にやってきたトナカイ姿のポニー。

花屋さんでリース作りに初挑戦。それぞれ個性的なリースが完成。私のは一番左、ブルーベリーの茎の束だけで作り、最後にユーカリをワンポイントにしたシンプルなもの。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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