10月 紅葉はつづくよ

ヘルシンキの秋といえば雨がちで、公園の木々はひと雨ごとに葉が落ち、あっという間に裸木が並ぶ...いつもそうだ。ところが今年は雨も、雨が連れてきてしまいがちな暴風もない日が続いた。気温の推移の仕方によって葉の色が変わるが、口を揃えて「黄金」と呼ぶ鮮やかな黄色の葉で、公園の木々が埋め尽くされた。

 

 

日照時間が急激に短くなる感じがするこの時期、人の表情は曇りだし、歩く姿も「とぼとぼ」という印象が強くなるのだけれど、今年は違った。美しい紅葉の中を嬉々として散歩する人たちをあちこちで見かける。紅葉にカメラを向ける人々、紅葉と一緒に記念写真を撮る人、落ち葉で遊ぶ子供たちの姿を撮影する人々。紅葉を楽しむ者同士、心が通い合うような思いで、すれ違いざまに笑顔を交し合う。

 

 

ヘルシンキという街は、どこを歩いていても自然の豊富なところに行きつく。お店が並ぶショッピングストリートや中央駅ですら、そのすぐ脇に公園が続く。紅葉する公園は2、3日行っていないだけで全然違う景色になり、どの公園もどの森も、行くたびに初めてのところを歩いている気分になる。首都ですら自然によって日々刻々と街の表情が変わるっていいなあと改めて思う。少し足をとめて周囲を見回す時間、何か考え事をしていても、落ち込んだりイライラしていたとしても、ふと気持ちが自然に向かう瞬間。フィンランドの人たちが何かあると森や自然の多いところに行くというのは、自分のバランスを取り戻すというのは、こういうことなのかな?と思いを巡らせてみたり。

 

 

10月も終わりに近づき、ヘルシンキでも雪が降った。もう10℃を超えることはないとか。ついに秋らしい嵐もやってきて、街の木々は髄分を葉を落とす。目が覚めてもまだ暗い、そうやって朝を迎えるようになった。そうだ、冬は少しずつ少しずつ近づいているんだ。

 

(文章・写真 森下圭子)

首都ヘルシンキは街なかでも自然が豊富。四季折々でまったく違う風景が楽しめる。

公園ではあちこちで紅葉にカメラを向ける人たちを見かける。それくらい今年の紅葉は特別だった。

きゅっと冷えが込んでくると夕焼けの色がより一層濃く、くっきりと広がるように思える。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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