9月 きのこでセラピー

フィンランドで秋といえば雨の季節。秋の森はいつも以上に薫りたっている。その年の当たり外れに関係なく、きのこもベリーも毎年たっぷり摘んでる友人などは、この時期になると匂いできのこの在り処を嗅ぎ分けてしまうほど。いつも乾燥しているフィンランドでは、少し湿ったこの時期の森は格別。乾燥した季節の雨上がりのすっきりした緑の匂いもいいけれど、秋のしっとりした空気の中で苔からじわじわ広がる森の匂いもまた格別。大地の記憶が滲み出たような時の流れ、土が育むイノチの重さ......そんなものが森の中に充満しているみたいに感じら、じわじわと心や体に沁み入ってくるのだ。

 

 

森はとくに秋のこの時期、風合い色合いを刻々と変えていく。寒い朝を迎えるごとに葉の色が黄色く赤く染まり、風が吹くたびに木々の葉は大きく揺れ、そして枝を離れてゆらゆらと地面に落ちてゆく。茸狩りは、そんな森のようすを楽しむひとつのきっかけになってくれてるような気がする。時に目を凝らし、時に全体を見渡す。おいしいきのこを探し出すため、きのことよく似た色の落ち葉で敷き詰められた地面を注意深く眺める。さらに湿り気や森全体の地形や地質を考えながら、きのこの場所にあたりをつける。きのこを摘むときはしゃがみこみ、大地に近づく。森の恵みを手にし、疲れたら森の中でひとやすみ。自分の五官を十分に使って森を存分に感じ、森を存分に体験する。

 

 

きのこ狩り仲間のひとりで精神科医でもある友人は、きのこ狩りを終えてサウナでゆっくりしながら、「ねえ、きのこセラピーってありだと思わない?」と言ってきた。森へ行って、きのこ狩をしながらゆっくり好きに時間を過ごすだけ。でも私も効果あるんじゃないかと思う。最近は過労からくる欝がフィンランドで深刻な問題となりつつある。その予防や初期段階での対策として力を発揮してくれるんじゃないかな。けっこう本気で私はそう思っている。

 

(文章・写真 森下圭子)

自然と私とふたりきり。幸せはと聞かれてこう答えるフィンランドの人は多い。

森の楽しみのひとつは苔の上を歩くこと。いろんな苔といろんな感触。水を多く含む苔の場所へくると、森の匂いもふと変わる。

見分けやすいだけでなく、香ばしさや味も群を抜いてる人気きのこ。スッピロヴァハヴェロという長い名前のきのこだけど、スッピロ、スッピスなどと略され親しまれている。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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ビルベリー&サンタベリー

北欧の人々にとって、なくてはならない森の恵み。