1月 豪雪でもつるつる道路でも

いつもなら年が明けると寒さがぐん増し、そのぶん青空の日が増える。ところが今年はどんよりした灰色の空の毎日。おまけにここへ来て、雨まで降っている。まるで11月と1月が入れ替わったみたいだ。そういえば人々の表情も11月に見るすぐれない感じを彷彿とさせる。

 

 

この冬ヘルシンキでは観測史上稀に見る大雪を記録している。道路に積もる雪も下のほうは厚い氷と化し、ここへ雨が降るものだから、氷が剥き出しになり表面が濡れてつるっつる。フィンランド人といえどもヒョコヒョコ腰がひけた状態で超小股で歩くしかない。それにしても、ここまできても、まだ滑り止めをつけないのか。私は雪が降ると同時くらいから、この冬は滑り止めをつけている。転びたくないもん、と思って。滑り止めはスパイクがついたベルトで、これを靴のかかと部分に装着するのだ。ほんの数個のスパイクなのに、効果てきめん。おかげで今はフィンランドの人たちの横をスイスイ抜きながら快適に歩いている。これまでさんざん笑われたから...そう、カシャカシャというスパイクの音はみんなに笑われてしまうのだ。なんか「甘い」って思われているみたいに。

 

 

何年か前は高齢者の冬道での転倒事故予防策としてスパイクが話題になった。高齢者の靴底に、無料でスパイクをつけてあげるという案。最近はそんな話題があったことを覚えている人だってどれだけいるか、という感じだし、実際に高齢者でスパイクの音を響かせている人たちにとんと出会わないのだ。冬道はすべる、危ないとわかっていてスパイクをつけない……これはフィンランド人としてのプライドとか意地とか、そういうものなのだろうか。

 

 

かわりにノルディックウォーキングのポールを支えに歩いている人たちを見かける。これだと抵抗感が少ないのか。少しは助けになっていそうだけれど、それでもまだたどたどしく歩くしかない姿をみていると「なぜスパイクをそんなに嫌う」と思わずにはいられない。これから青空の日が増えるだろう。太陽がまぶしい空を思う存分見上げるためにも、足元安心の滑り止め、いいと思うのだけどな。

 

(文章・写真 森下圭子)

久しぶりに朝焼けを見て、嬉しくてすぐに散歩にでかけた。ずっと太陽をみていないと、何も考えず反射的に外に出てしまう。

この豪雪では車の運転も大変。通り過ぎる車がぐおんぐおんと上下する。雪でうねった道路、これでも首都の交通網がちゃんと機能しているのは、さすがフィンランド。

忙しそうなリス。雪の中でもすばやく動く。足の裏、どうなってるんだろうか。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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