9月 きのことベリーとりんごと

夏があまりにも暑くて雨知らずだったから……きのこは探すだけムダと言わんばかりの口調で、人々は半ば諦めたように秋を迎えていた。ところがだ、この一ヶ月ほどの間にとにかくよく雨が降ってくれた。そして山鳥茸やその仲間のぷっくりしたきのこたちが、森のあちこちにニョキニョキ顔を出し始めたのだ。 森だけじゃない、家の庭やら近くの公園にだって生えているのだ。夏はいつまでも暗くならない空を見上げてばかりいたというのに、ここのところの私ときたら、その日の空の色がどんなだったかすら覚えていない。空を見上げることも、森の木々に目をやることもなく、私の目はひたすら地面ばかり追っているのだ。

この時期にもなるとリンゴンベリーが赤みを増していく。味が熟して甘みが増すのは初雪を被ってからなどとはいうものの、ちょっと苦味と酸味がきいた今の時期のものもおいしい。そして一方の目できのこを探してもう片方の目で赤いリンゴンベリーを探す。摘んだきのこを入れるかごには小さな容器も入れておいてベリーを集める。首都に暮らしながら、自分の日常、平日だってこんな風に過ごせる環境が凄いなと改めて思う。お休みの日なら焚き火もできるところで、摘んだばかりのきのこを調理しながらいただくお昼ごはんもいい。

 

首都にいながらにして、ということで言えばりんごもそう。毎日のように庭のりんごをいただき、ジャムを作るための鍋はもう出しっぱなしにしてある。新しいパイのレシピを教えあったりするのも楽しい。すとんと日が暮れるようになってしまい、夜が来るのが早くなると心も沈みがちになる。でも自然の恵みに気をとられ、それが秋の哀しさを和らげてくれる。ラップランドはもう紅葉の季節。いちどくらいゆっくりと紅葉を堪能してみたいと思うけれど、ラップランドにいても、きのこに気をとられちゃうんだろうな。

海の水が冷たくなると透明感を増すのか、水面に映る秋の夕日はキラキラしている。

リンゴンベリー。保存にもすぐれ、肉料理に添えてもいいしデザートにもなる万能ベリー。

公園にだっておいしいきのこがこんな風に。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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