1月 夕日に向かって走る人たち

クリスマスに「夏至祭と変わらないよね」というほど暖冬だったことを忘れてしまいそうになる。それくらい新年を迎えたとたん、ヘルシンキは別世界なのだ。すでに-25℃の日もあったほど。ラップランドに暮らす知人にいたっては、家の寒暖計が-44℃を指していた朝もあったそうだ。

 

年末はボートで行き来していた海も、マイナス二桁が続くと、いよいよ凍るかと心が躍る。暖冬のせいで前年は一度も凍った海の上を散歩できなかったこともあり、今年はいつも以上に待ちわびている。それはきっと私だけではないと思う。

 

さて急に寒くなったことで、ヘルシンキですら珍しい気象現象がたてつづけに起きた。まずは蒸気霧。これは大気が-20℃以下で海はまだ凍っていないというときに、海の水が蒸気になってふわふわと立ち昇っているのを見た。立ち昇る蒸気は周囲の石や岩、木々と次々と氷で覆いだした。蒸気霧に包まれると、冷たさが一層身にしみ、沖のほうに流れている蒸気霧を見ると、必死に海が凍ろうとしている気配を感じる。

 

もともとはこの珍しい現象を見に海にやってきた人たちの目の前に、突然連日のように現れだしたのが周囲の空気を赤く染めるほどの眩しい夕日だった。キリリと澄んだ空気の中で見る夕日は大きく眩しく美しく、私もつい夕日に向かって走ってしまった。そして振り向けば、同じように夕日に向かって走るフィンランドの人々が続いていた。やっぱりフィンランドの人たちにとっても珍しいのだ。

 

夕日に見とれていた私たち目前にサプライズの贈り物のように現れたのが、サンピラー(太陽柱)やハロ(暈)。諸条件が重ならないと出ない現象らしく、フィンランドのニュースにも取り上げられたほど。それが新年早々、連日のように見られたのだ。寒い毎日ではあるけれど、嬉しそうに海辺を散歩する人たちで賑わっている。それにしても-25℃で走ると、肺がきゅっとするような…そしてむせます。

 

 

(文章・写真 森下圭子)

サンピラー(太陽柱)

-25℃と海からの蒸気霧で氷に覆われていく木々や島の岩肌

海が少しずつ凍っていく

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森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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