2月 春の兆しづくり

この冬はいつもと様子が違う。たいてい本当に寒くなるのは年が明けてからなのだけれど、12月のうちに北極圏で-30℃を下回る日が何日か続いた。さらに年が明けるとカラリと晴れた青空の美しい日が続くものなのに、今年は一向に晴れる気配がない。2月に入ってまで「青空ってどんなんだったっけ?太陽の眩しさってどんなんだっけ?」なんてこと、この19年でなかったと思う。何でも過去25年でもっとも空が曇った冬なのだとか。日照時間が短いだけでなく、曇りばかりでなんとも気だるい冬を過ごしている。

 

 

とはいえ2月になると冬の最後を思い切り楽しんだり、同時にそこに春の近さを思わせる行事がある。たとえば国をあげてソリ滑りしましょうという日曜日、たとえば1週間のスキー休暇、そして卒業を控えた高校生たちのパレード。どれもその光景を眺めると「そうだ、もう春も近いのだ」と思う。こんなに曇りばかりで春めいた気配もない街のなかで、2月の行事は久しぶりに「春の兆し」を感じさせてくれた。

 

 

とくに卒業を控えた高校生たちのパレードは、首都ヘルシンキにいると一層賑やかだ。卒業を控えた全ての高校生たちがトラックの荷台に乗り込みパレードする。一人ひとり大きなお菓子の袋を抱え、道ばたで手をふり拍手をして卒業を祝ってくれる街の人たちにお菓子を撒くのだ。生徒たちを乗せたトラックも、この日ばかりは盛大にクラクションを鳴らす。思い思いの仮装をしたり、クラスの皆で一緒に歌ったり叫んだりする生徒たち。彼らの撒くお菓子をすばやく拾う子供に大人。老若男女がひとつところに集まっているのも楽しいし、子供たちの門出をそこに暮らす人々みんなでお祝いするのも微笑ましい。誰にも拾われず雪に埋もれかけてる飴の包みを拾い、ひとつ口にいれてみる。さくらんぼの甘酸っぱさが、春までの距離をまた少し縮めてくれた。

アイスフィッシングをする人々の姿は、海の氷が薄くなりはじめ春の近さを感じられるようになっても見かける。

卒業を控えた高校生たちのパレード。ヘルシンキでは何十台というトラックが並ぶ。

ヘルシンキだけでなく、わりと小さな自治体でも、スキーやスケートを楽しめる氷の道が整備されている。犬の散歩あり、ソリもあり、または自転車で行き来する人も。その気ままさがまたフィンランドらしい。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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