10月 森の中の自然にやさしいトイレ

初めてフィンランドに来た人が「ウォシュレットがなくて驚いた」という話がある。フィンランドには、ないんです。日本のトイレ事情って、ものすごい 勢いで進化してませんか。フィンランドの森のトイレ事情ともなれば、信じられない光景なのかもしれない。トイレはある。夏小屋の離れに限らず国立公園やちょっとしたレクリエーションが楽しめるようなところにも。ただ、これらは何ともエコというか、自然にやさしいのだ。自分たちで処理するとなると肥料にするのが一番シンプルで早い。毎年土を掘り、ポリタンクをひっくり返して穴に中身を埋めるのだ。エコトイレには必ずチップが傍にある。肥料にするのを早める チップで、用を足したら後に撒いておく。そうだ、バスにトイレがついてても、男の人は運転手さんに声をかけ、頃合いのいいところで停めてもらって森へ走 り、スッキリした顔して戻ってくる。なんともエコだ。

 

 

少し前に国有地の島へ行った。夏の忙しいシーズンを終え、ちょっと静かになった島にトイレのエキスパートという男の人がいた。 彼はフィンランドの国立公園や国有地にあるトイレを取り仕切っている。デザイン、機能、エコ、サイクル…そんなもろもろのことを考えながらその場所にぴっ たりのトイレを誂えるのだ。島のトイレは森に比べて草花がぐんと少ないからか、島の景色に彩を添えるかのように明るく素敵だった。彼はヌークシオ国立公園 (ヘルシンキにほど近い森)のトイレも管理している。この森を訪れる日本の人がここ数年急増しているのを受け、彼が次に計画をしているのは、なんと「和 式」のエコトイレ(いわゆるボットンね)。便座にお尻をつけないで済むトイレを登場させるのだとはりきっていた。日本のスタイルとフィンランドのエコのコ ラボだなんて楽しみだ。

 

 

よく行く小屋のトイレがそろそろで気になってるもんだから、こんな話をしてしまいました。いつも年に一度で大丈夫だったけれど、今年はベリーも茸も当たり年で小屋もトイレもよく使ったから……。この時期のこういう作業は初めてだ。なんだか本格的に冬ごもりの準備をしている感じ で、ちょっと切ない。

 

(文章・写真 森下圭子)

きのこ。今年はフィンランド南部、ベリーやりんごに続いて茸も当たり年。でも競争率がいつも以上に激しい。

ボートを海や湖からあげて。こんな風にアパートの駐車場にきょとんと置かれた姿に、冬の近さをしみじみ感じてしまう。

紅葉のせいか、空が赤くそまる夕暮れの時間、空気そのものがぽっと赤く染まっているように見える。空気を染めるのが青になったとき、冬が一気に広がっていく気がする。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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