9月 ななかまどの冬予想

今年は夏が深まるにつれて、ななかまどの赤い実が目立っていた。あちこちのカフェで花瓶に生けられているのも見かける。ほどよい雨の恵みをうけて艶々の赤い実は、緑に包まれた夏の景色の中で一際目立っていた。ななかまどの実がたわわになった年の冬は雪が多い、寒い冬がやってくるなどと言われている。この冬は久しぶりに雪に覆われた冬らしい冬がやってくるのかな。

 

 

ブルーベリーは鳥たちと取り合いになるくらいなのに比べ、ななかまどは鳥がついばんではいかない。ブルーベリーだと熟す頃か、なんてときに紫色に染まった鳥の糞を見つけては大慌てでバケツをもって森に走るような一刻を争う状況なのに、ななかまどは枝をしならせ、いつまでも赤い実をつけている。鳥に人気のない木の実なんてあんまりおいしくないのかしら…と私じしん、ずいぶん長いこと何もせずにいたのだけれど、これ、ジャムやジュレ にすると美味しい。生では食べようと思わないものだけれど、お砂糖と一緒に調理すればおいしい。おまけに色も美しい。

 

 

今年は茸が順調で、それこそ森に入るたびにいろんな茸が次々と生えてきている感じ。でもおいしい茸の群生している場所をそうそう簡単には見つけられない。手ぶらで帰らないためにも「ななかまどの実」がよさそうだ。中腰で茸を追いかけ続けるなかで、たまに腰をあげて空を眺めて真っ赤な木の実を見つめるのは体にもやさしそうだ。目にもいい。そういえば、茸に夢中で蛇を踏んずけてしまってパニックになったという初老のご婦人の話を思いだした。彼女はそれで方向感覚を完全に失ってしまったという。夢中になりすぎるのも問題かもね。茸を追いすぎて方向がわからなくなる人、実は多いのだ。ななかまどの赤い実を見ながら我に返り気分転換する。なかなかのバランスメーカーではないか。茸に夢中で気にしていなかったけれど、そういえば、いつのまにか森の中は黄や赤に色を染めた葉が目立つようになってきた。やっぱりたまには森の中で頭をあげないと。

 

(文章・写真 森下圭子)

森にも庭にも街の景色にも、ななかまどの赤い実は似合う。

生のベリーを楽しめる時期は限られている。カードや生クリームといった乳製品に砂糖を加え、いただくのはフィンランドの家庭料理の定番でもある。

ブルーベリーは実だけでなく、葉もハーブティーなどで楽しむことがあるけれど、これは赤いカシスのジュースと、カシスの葉で作ったジュース。葉のジュースなんて初めて。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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