6月 トウヒ、いちご、燻製

6月になり子供たちは夏休み。駅は旅にでる寝袋をもった若い子たちで賑わうようになった。大人は大人でこれから長い夏休みを控え、打ち合わせを繰り返したりと忙しく働く。街のどこかしこも活気にあふれている。おまけに白夜だ。いつでも空が明るくて、気付くと真夜中ちかくまで散歩してしまっていたりする。逆に朝の4時頃から森の中を自転車でかけぬけたりするのも気持ちいい。暦が6月になると旬の時期は残りわずかと、朝はやくに森に入ってはトウヒの新芽を摘んでいた。

 

 

トウヒは12月になるとクリスマスツリーとして家の中を飾る大切な木。これが夏のはじまりには体にいい大切な木として重宝されているのだ。まだやわらかい黄緑色の新芽の時期にこれを摘んでおく。乾燥させてハーブティーにしてもいいし、そのまま食べてもいいのでサラダに加えたり。 私は数年前から友人に教えてもらった方法でぐつぐつと何時間も煮詰め、砂糖を加えてシロップをつくっている。フィンランドの森の香りのするシロップはヨー グルトにかけても、紅茶にたらしてもおいしい。

 

 

あっという間に新芽の時期は過ぎ、夏を本格的に楽しむ人たちをあちこちに見かけるようになった。公園ではビキニで日光浴する人たち、大きな岩と呼びたいくらいの小さな島でバーベキューをする人たち。私の6月といえばバーベキューに始まり、湖でとれた魚を燻製にしたり、森では焚き火でコーヒーをわかしたり、スモークサウナに誘ってもらったり。夏とともに、自分の体が燻された匂いに包まれる日々だ。今日も一日よく動いた、外の空気をいっぱい吸っていっぱい笑ったな……この匂いを纏った夜は、あっという間に深い眠りについてしまう。燻され臭、万歳。

 

 

夏野菜がおいしそうに市場に並ぶ。これからが旬の国産いちごに舌鼓をうちながら、市場をぶらつく。夏というだけで何もかもが輝いていて楽しくてしかたなくて、浮かれすぎといわれてしまいそうだけど、もうとことんまで浮かれてやろうじゃないのという気分だ。

 

(文章・写真 森下圭子)

トウヒの新芽を摘む私の元へ、自らをアピールしにやってきたリス。エサが欲しかったらしい。わざわざ視界に入るように枝わたってくるリス。

地面いっぱいにブルーベリーやリンゴベリーの青々とした葉。ブルーベリーの葉はハーブティーにもなるし、匂いをかぐだけでも体によさそう。

 

ブルーベリーの花。葉の下に隠れるように、でもつやつやと赤く輝く小さな花たち。いつもこの時期に「今年こそ収穫期に出遅れないように」と誓うのだけれど。

 

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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