5月 人間から遠ざかるような味覚

フィンランド人が海外にいて恋しくなる味とは?ライ麦パンやサルミアッキという答えが多い。ライ麦パンは硬くて酸味も強く、日本の人が食べてみると好き嫌いがはっきり分かれる。サルミアッキは小さな一粒すら耐えられず、ペッと捨ててしまう日本人が多い。正直に「サルミアッキってタイヤの味がするよね」とフィンランド人に言うと、「タイヤ食べたことあるの?」と返される。もちろんない。でも、それだけ食べ物の範疇を遥か彼方に追いやったようなショックな味なのだ。今でもサルミアッキは苦手。頂戴してしまった時は礼儀として味わうふりして呑み込み、自ら好んで買うことは絶対ないというスタンスをとっている。

 

でもライ麦パンは別。年々その味の魅力に引き込まれている気がする。なんでもライ麦パンは即エネルギーになるらしいので空腹でふらついている時に効果的だ。おまけに持続性も高い。口の中に酸味が広がり、噛めば噛むほど甘みがじんわり漂ってくる。本格的なライ麦パンはイーストを使わず、釜の余熱で焼いている。そんなパンは素材の香ばしさが繊細に残っていて、長く噛み続けていても飽きが来ない。自然の大地が口の中ではじけているみたいだ。自然の息吹のような味わいが広がっていく。眩しい青空、新緑が目に微笑み始めるこの時期の空気の中では特にね。

 

そしてこの時期忘れちゃいけないのが白樺樹液だ。残念ながら忙しすぎて白樺樹液を自分で採集するチャンスがない。けれども閃きプライス(お客さんと会話しながら勝手にそのときの勢いで値段が決まる)で白樺樹液を売ってくれる市場のおばちゃんに出会った。新鮮でクセがない。ちょっとばかりの苦味に青々とした甘味。木々が葉を伸ばそうとする生命力、その源をゴクゴクやると虫になったような気分が心をくすぐる。

なかなか森でゆっくりできない今年の春。本格ライ麦パンと採れたて白樺樹液で、首都にいながらにして大自然で生きるたくましさを口の中で反芻させてもらっている。すっかりはまってしまいました。

春うらら。散歩のついでにゴキゲンな一杯、さらに一杯(…続く…)。そしてパブの外に待たされている犬たち。

都会ではもっぱら家の中で生活し、散歩もリードつきの猫ですが、田舎では気まま。都会猫も夏小屋生活の時は森に放し飼いになる。

田舎の馬。随分な髪型と思いきや、昔の挿絵にこれと全く同じものが。これって定番なのか。ほどいてあげると見事なソバージュになる。

森下圭子さん

Keiko Morishita-Hiltunenさん

 

ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

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