Moi from Finland
フィンランドからの手紙
フィンランド在住のムーミン研究家・森下圭子さんのフィンランドの美しい自然や日々の暮らしをつづったエッセイ。
2020
森下圭子さん
(Keiko Morishita-Hiltunenさん)
ムーミンが大好きで、ムーミンとその作家トーベ・ヤンソン研究のためにフィンランドへ渡り、そのまま住み続けている森下さん。今はムーミン研究家として、またフィンランドの芸術活動や、日本へフィンランドを伝える窓口として、幅広く活躍中。

12月 雪のないクリスマスの前に
2020.12.18
フィンランド中部では今月に入り、最初の10日間で太陽が出ていた時間がわずか6分だった町があるとか。
ヘルシンキは今年も未だ雪がなく、でも自虐的に雪のないクリスマスを話すまでに至っていない。それどころじゃない、と言えばいいか...

11月 青空を見たら、何はともあれ
2020.11.20
フィンランド語で11月はmarraskuu(マッラスクー)という。直訳すると死の月。これは自然の様子を表してという説明が一般的で、確かに紅葉した葉もほとんどが落ちてしまい、どこを歩いても裸木が並ぶ...

10月 いつでも行ける自分だけの場所
2020.10.23
フィンランドでも南に位置するヘルシンキですら初雪を観測した。とはいえ、ヘルシンキは雨が続く毎日だ。毎年毎年「ああ、またこの時期が来てしまった」と気持ちが沈みがちになるのが10月...

9月 ミツバチたちのステイホーム
2020.09.18
「ヤナギランの花が咲き終わったら」――友人はハチミツを採るタイミングをそう知らせてくれた。カリスマシェフと呼ばれ、フィンランドの食の世界を食材にこだわる方向へシフトさせた最初の人でもある...

8月 夏の終わりと秋の気配
2020.08.21
8月に入っても私は群島にとどまった。島に通年で暮らす人の10倍はいるという夏を島で過ごす夏の住人たちは、長い夏休みを終えて各々の日常へと帰って行った...

7月 かもめの子育てとブルーベリー
2020.07.27
日本から人をお迎えすることがなくなってしまった7月。ほぼすべての仕事がキャンセルまたは延期になった。でも、好きなように使える時間がまとまって取れるなんて、これまでなかったことだ...

6月 わたしの街、夏至の魔法
2020.06.26
フィンランドでは国内でのレジャー旅も自由に行き来できるようになり、私も夏至祭を機に思い切って首都圏を離れた。3ヶ月半ぶりの長い移動はとても新鮮で心が躍った...

5月 新しい日常といわれて
2020.05.22
5月も後半にはいり、フィンランドは段階的な行動制限解除が始まった。小中学校が再開したり(とはいえ変則的ではあるけれど)、図書館も、ゆっくりできないまでも本が借りられるようになった。予定では6月から博物館や美術館も再開し、カフェやレストランの店内飲食も可能になる...

4月 優しさに想像力の翼をつけて
2020.04.24
緊急事態宣言から5週間、相変わらず厳しい行動制限の中での暮らしが続く。同時に気候はどんどん良くなる。普段は見知らぬ人と話をしないフィンランド人ですら、つい話しかけて喜びを分かち合いたくなる春がやってきたのだ...

3月 避けたはずが森の中が大賑わい
2020.03.19
日本に少し遅れ、フィンランドでも新型コロナウイルス感染問題が深刻になってきた。日本でトイレットペーパーが棚からなくなったらしいと人に話していたら、あっという間にフィンランドでも同じ現象が起きた...

2月 寒くないから雪が降る
2020.02.21
冬は1月2月が一番寒くなるからと期待していたものの、結局ヘルシンキの凍った海の上を歩くことなく3月がそこまで来ている。太陽の眩しさも、海から吹く風にも...

1月 冬の森できのこ狩り
2020.01.24
「昨日ね、犬の散歩をしていて杏子茸を見つけたの!」と誰かが言えば、次々と見つけたきのこの話がでてくる1月。フィンランドに暮らして25年。1月にこんな話を...